sxy3のブログ

思ってることを吐き出す場。ペッ

保護と支配



保護と支配は一体なんですよ、と先生は何でもないように何度も言った。帝国主義の時代の授業だった。

世界史は高校で習った教科の中でもベスト3に入るくらいには好きだった。覚えた用語、年号、王朝の名前なんかは忘れてしまっても、世界史的なモノの見方は焼きついて、大学での学びにも、日常生活での気づきにも顔を出す。世界史を好きだったのもその見方を手に入れるのが面白かったからだ。世界規模で社会の成り立ち、変遷がわかれば、今自分が立っているのがどういう場所か相対化して位置づけられる。よくわからないけど生まれてきてここにいる、に座標がつくのは大きい。

世界史の先生はそのお父さんも世界史の先生だったという生粋の世界史の先生だった。

的を得ているなあと思った。確かに、イギリスは植民地を保護するという名目で支配していた。保護の建前がなければ体裁が悪いし、支配される方もその保護に依存せざるを得なくなる。イギリスだけじゃなくて、その時代の潮流は大方そこに帰着するようだった。

帝国主義と近代社会の成立は切っても切れない関係だ。
そして今の社会はその近代社会の末裔だ。

保護者、という日本語がある。
子供の親、養育者を指す。
子供は成人するまで保護者の保護下にある。

保護者というのは支配者のことだ。
子供は生まれたときから支配者に阿らなければ生きていけない。その保護に依存し支配に甘んじなければ生きていけない。

親子関係、家族、家父長制について考えていて、世界史教師の言葉を何度も思い出すのは決して偶然ではないだろう。